要件定義と聞くと堅苦しいイメージですが、実際には、単なる打ち合わせです。
「要件定義」ではなく、「要望聴取打合せ」、「要件定義書」ではなく、「要望をまとめた書類」と言った方が分りやすいですかね。
システム制作会社との打ち合わせの時に、あれもしたい、これもしたいと脈絡もなく並べてもシステム制作者にとってはチンプンカンプンで混乱したり、正しく伝わらなかったりします。
先ずシステム化によって改善したい業務をまとめて下さい。簡単に言えば、現在、どの様に行っていて最終的にどの様にしたいという道筋を洗い出します。
例えば、
社内で会議等を開いて頂き、この様に最終的な目的を洗い出して下さい。この様な要望を、いくつお持ちでも構いません。
上記の「要望の洗い出し」で出てきた要望が出てきたところで、下の順番に従ってシステム制作会社に伝えて下さい。
要望が決まったら、それを分解していきます。
まず、「要望の洗い出し」で出てきた要望を満たすために必要な管理項目の洗い出しを行います。
加えて、それに関連する業務もシステム化する可能性がありますので、それを管理するために必要な項目も洗い出しておきます。
例えば、
得意先名、商品名、単価、仕入れ値、個数、等
現在、管理しているExcelや紙があるようであれば、そこから項目を抽出すると良いでしょう。
ただし、重要なのは、本当に必要な情報か否かを十分に見極めることが必要です。
使いもしない項目をシステム化しても使用しなかったり、無駄に入力作業が増えるだけになりシステム化のマイナス要因となってしまいます。
また、洗い出した項目に、どんなデータが入るか、
例えば、
全角のカタカナが入る、半角数字が入る、半角アルファベットと数字、記号が入る、等。
及び、開示できる実際のデータ、もしくは、サンプルデータを用意し提示できるようにしておくと完璧です。
また、洗い出した項目の中で、この情報がないと業務が進行できない項目。つまり、必須項目を決めておいてください。
「要望の分解(項目の洗い出し)」で出てきた項目が、答えを出すための要素になり、「要望の洗い出し」で出てきた要望は答え、つまり、結果となることが分かると思います。
システムは、この様にIN(要素)があり、OUT(結果)を出すということの繰り返しになります。
例えば、売上推移グラフをシステムで出力したいとなった場合、
月ごとの売上集計結果がないとグラフは作れません。つまり、月ごとの売り上げ集計結果が結果となり、売上日、商品、単価、売上数量、等は、月ごとの売り上げ集計結果を出すための要素となります。
これららの要素を短時間で分類し、計算し、集計するのがコンピュータの役割、システムの役割なのです。
最後に、今までの「要望の洗い出し」「要望の分解(項目の洗い出し)」で出てきた要素や結果について、入力、出力タイミングを確定します。
つまり、業務工程で、どのタイミングで入力し、どのタイミングで出力するのかを決める必要があります。
特に入力タイミングに関しては、一度で全てが、そろわないことが多いですので業務工程を進めながら複数の担当者の入力で情報をそろえるようになります。
何も要望をまとめず、社内での取りまとめ打ち合わせも行わずに業務の関係者全員を集めてシステム制作会社との打ち合わせに臨む事は止めた方がよいと考えます。
システム制作会社に要望を伝えるのではなく、社内の業務改善会議になってしまいます。
業務に関係する全ての担当者の意見をシステム制作会社に吸い上げてもらいたいという気持ちはわかりますが、それを行ってしまうと意見が、まずまとまりません。
また、各人の希望を全てを吸収させてしまうと、機能が増加したり、年に一度程度発生するようなイレギュラーな事例までシステム化することになり、無駄な項目や機能が追加され、工数が増えると同時に使いにくいシステムとなってしまいます。
まず、社内でよく打ち合わせを行い意見をまとめた後にシステム化を推進される代表者数人でシステム制作会社と対峙し打ち合わせを行うとスムーズに進みます。