私も、この会社を始める前は、別の会社に勤めており様々なプロジェクトへ出向していた経験があります。 そんな長い経験の中で、実際に私が見た失敗事例をご紹介します。 今回は、システム会社側の要件聴取ミスを書いてみます。
トラブルとなっているプロジェクトがあり、私が、トラブル解決のためにプロジェクトの面倒をみる事になりました。
前任のプロジェクトマネージャーから引き継ぎを受けたところ、要件は、不動産物件の検索が行えるシステムとの事でした。
なぜトラブルになっているのかを担当者から理由を聞いたところ、言われた通りに作っているのだけど、何度、納品してもお客様から違うと言われている様です。
よく聞いてみると指示は、前任のプロジェクトマネージャーからで、お客さんとは直接、話をした事がないとの事でした。
最後にお客さんに電話にて確認を取ったところ、話の中で「人を検索」と言う言葉が時折出てくる事に気が付き、良く確認を取ってみると不動産物件を検索するのではなく、不動産物件を探している人を検索するとの事でした。
全く逆の要件であり。検索も間逆になってしまいます。
前任のプロジェクトマネージャーが要件の取り間違いによって引き起こされたトラブルです。
要件定義書、及び、設計書が提出されていれば未然に防げたと思います。
私が出向していたプロジェクトで起きたトラブルですが、要件がかなり大きく要件聴取だけでも膨大な時間がかかる様なプロジェクトです。
最終的には、お客様から製造を急がされたため要件の細かい部分を詰めずに設計、製造と進めてしまったため、各所で不備が発生していました。
私が担当していたプログラムでも、流れてくるデータの項目が不足している事が判明しマネージャーに報告したところ、その部分を除いて製造して下さいとの指示を受け作りました。一度、全てを作り終えてから修正を加える方向の様です。
私は、途中で、このプロジェクトを抜けてしまったため最終的にどの様にしたのかは不明ですが、修正となれば、当然、コストがかかります。最初の製造のタイミングで全てそろっていれば修正を行う必要もなかったと思われます。
既にこれに至っては、ヒアリングミスとか以前の問題になります。
プロジェクトマネージャーからサイトと連動のシステム制作を支持され作ったのですが、サイト側を担当する会社様との打ち合わせもなくプロジェクトが進んでいき、納品の日に、お客様から「それでは、サイトの方の制作に移りましょう」と言われました。
何の事だろうと聞いてみると当社の方へサイト~システムまで全般をお願いしているとの事でした。
そう言われてみると、プロジェクトマネージャーが、このプロジェクトがスタートする前に制作にかかる工数(見積もり)を依頼してきたのですが、「サイトは、他の人に確認するからシステムの分だけ見積もり出して」と言っていた事を思い出しました。
提出した見積もりもシステム側の見積もりだけが提出されておりサイト側の見積りは、お客様の方へ提出されていませんでした。
お客様の方も見積もりの中身を確認せずに発注してしまったようです。
ある担当者が担当するプロジェクトだけトラブルになる事がありました。
一度、その担当者に同行し打ち合わせに行く事があったのですが、その担当者は、要件定義時にお客様の話をほとんどを聞かずに概略だけ確認し打ち合わせを終えてしまいました。
その後、要件定義書も設計書も提出せずにシステムを制作した様です。
システムを納品したところ、お客様から全く要求していたシステムと違うと言われ作り直して納品していました。
時には、要件の半分も実装されずに納品していた事もあったようです。
推測するに担当者の勝手な思い込みで制作していたようです。
細かい打ち合わせを持つ事と要件定義書、設計書が提出されていれば未然に防げていたと思います。